妊娠中に口内炎ができやすくなる原因の一つに、栄養バランスの乱れや特定の栄養素の不足が挙げられます。つわりによる食欲不振や偏食、あるいは赤ちゃんの成長のために多くの栄養が必要となることで、母体の栄養状態が不安定になりやすい時期です。口内炎の予防や早期回復のためには、口腔粘膜の健康をサポートする栄養素を意識して摂取することが大切です。まず、粘膜の再生や保護に不可欠なのが「ビタミンB群」です。特にビタミンB2、B6、B12は口内炎と深く関わっています。ビタミンB2は皮膚や粘膜の健康維持に働き、不足すると口角炎や舌炎も起こりやすくなります。多く含まれる食品としては、レバー、うなぎ、納豆、卵、乳製品などがあります。ビタミンB6はタンパク質の代謝を助け、免疫機能を正常に保つ働きがあります。多く含まれるのは、マグロやカツオなどの魚介類、鶏肉、バナナ、ニンニクなどです。ビタミンB12は神経機能の維持や造血に関与し、不足すると貧血や神経障害のリスクもあります。貝類(特にしじみやあさり)、レバー、魚卵などに豊富です。次に、抗酸化作用があり、免疫力を高め、コラーゲンの生成を助ける「ビタミンC」も重要です。ビタミンCはストレスへの抵抗力を高める効果も期待でき、口内炎の治癒をサポートします。果物(イチゴ、キウイ、柑橘類など)や野菜(パプリカ、ブロッコリー、じゃがいもなど)に多く含まれています。また、細胞の新陳代謝を促し、味覚を正常に保つ働きのある「亜鉛」も、粘膜の健康に欠かせないミネラルです。牡蠣や牛肉、豚レバー、卵黄、ナッツ類などに含まれています。鉄分も、不足すると貧血になり、口腔粘膜が弱くなって口内炎ができやすくなるため、意識して摂りたい栄養素です。赤身の肉や魚、ほうれん草、小松菜、ひじきなどに多く含まれます。これらの栄養素をバランス良く摂取するためには、特定の食品に偏るのではなく、様々な種類の食材を組み合わせることが大切です。ただし、妊娠中のレバーやうなぎの摂取は、ビタミンAの過剰摂取に繋がる可能性があるため、量に注意が必要です。食事だけで十分な栄養を摂るのが難しい場合は、医師や管理栄養士に相談の上、サプリメントの活用も検討しましょう。
妊娠中の口内炎と栄養!積極的に摂りたい食品