良いクリニックの見分け方

2025年9月
  • 心臓?腎臓?高齢者の足のむくみと内科系疾患

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    高齢者の足のむくみは、加齢による生理的な変化だけでなく、様々な内科系の病気が原因で起こっている可能性があります。放置すると元の病気が進行してしまうこともあるため、注意が必要です。代表的な内科系疾患と足のむくみの関係について理解しておきましょう。まず、最も注意が必要なのが「心不全」です。心不全とは、心臓のポンプ機能が低下し、全身に十分な血液を送り出せなくなった状態を指します。心臓の働きが悪くなると、血液がスムーズに流れなくなり、特に体の低い部分である足に水分が溜まりやすくなり、むくみ(浮腫)が生じます。心不全によるむくみは、両足に現れることが多く、夕方になると強くなる傾向があります。また、息切れ(特に労作時や夜間に横になると強くなる)、動悸、体重増加、倦怠感といった他の症状を伴うこともあります。狭心症や心筋梗塞、心臓弁膜症、心筋症、高血圧などが心不全の原因となります。次に、「腎不全」です。腎臓は、体内の水分量や塩分量を調節し、余分な水分や老廃物を尿として排出する重要な役割を担っています。しかし、加齢や糖尿病、高血圧などによって腎機能が低下すると(腎不全)、この水分や塩分の調節がうまくいかなくなり、体内に余分な水分が溜まってむくみが生じます。腎臓病によるむくみは、足だけでなく、顔(特にまぶた)や手などにも現れやすいのが特徴です。また、尿量の減少や血尿、タンパク尿、高血圧、貧血、倦怠感といった症状を伴うことがあります。また、「肝硬変」などの肝臓の病気も、むくみの原因となります。肝硬変になると、血液中のアルブミンというタンパク質を作る能力が低下し、血管内の水分を保持する力が弱まるため、水分が血管の外に漏れ出て浮腫が生じます。腹水(お腹に水がたまる)を伴うこともあります。その他、「甲状腺機能低下症」では、全身の代謝が低下し、皮膚の下にムコ多糖類という物質が溜まることで、押しても跡が残りにくい特徴的なむくみ(粘液水腫)が生じることがあります。これらの内科的疾患によるむくみは、元の病気の治療が不可欠です。足のむくみが続く、急に悪化した、息切れや体重増加など他の症状があるといった場合は、内科や循環器内科、腎臓内科などを受診し、原因を特定してもらいましょう。