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アデノウイルスの咳予防と感染対策
アデノウイルス感染症は、咳や発熱、喉の痛み、結膜炎など、様々な症状を引き起こし、特に子どもたちの間では集団発生することもあります。つらい咳に悩まされないためには、日頃からの予防と感染対策が重要になります。アデノウイルスは非常に多くの型が存在し、感染力も強いため、完全に感染を防ぐのは難しい面もありますが、基本的な対策を徹底することで、感染リスクを減らすことができます。まず、最も基本となるのは「手洗い」と「うがい」です。アデノウイルスは、飛沫感染(咳やくしゃみなど)だけでなく、接触感染(ウイルスが付着した手やおもちゃなどを介して)によっても広がります。外出後や食事の前、トイレの後などは、石鹸と流水で指の間や手首まで丁寧に洗いましょう。アルコール手指消毒剤も有効ですが、ノンエンベロープウイルスであるアデノウイルスに対しては、一部効果が低いとされる製品もあるため、製品の表示を確認するか、石鹸による手洗いを優先するのが望ましいです。次に、「咳エチケット」の徹底です。咳やくしゃみをする際には、ティッシュやハンカチ、あるいは袖の内側などで口や鼻を覆い、他の人に飛沫が飛ばないように配慮します。マスクの着用も、自分からの飛沫の拡散を防ぐだけでなく、他人からの飛沫を吸い込むのを防ぐのに有効です。また、タオルの共用は避け、食器などもできるだけ分けて使用するのが望ましいです。感染者が触れた可能性のあるドアノブや手すり、おもちゃなどは、こまめに消毒用アルコールや次亜塩素酸ナトリウム(家庭用の塩素系漂白剤を薄めたものなど)で拭き取りましょう。そして、体の免疫力を高めておくことも重要です。十分な睡眠とバランスの取れた食事、適度な運動を心がけ、ストレスを溜めないようにすることで、体の抵抗力を維持し、ウイルスに感染しにくい状態を作ることができます。特に、疲労が溜まっている時や寝不足の時は免疫力が低下しやすいため、無理をしないようにしましょう。プール熱(咽頭結膜熱)の原因となるアデノウイルスは、プールの水を介して感染することもあるため、流行期にはプール利用後のシャワーや洗眼も大切です。これらの予防策を家族全員で共有し、実践することが、アデノウイルス感染症から身を守るための最も効果的な方法となります。