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大人がおたふく風邪になる原因と感染経路
おたふく風邪(流行性耳下腺炎)は、ムンプスウイルスというウイルスに感染することで発症します。主に唾液を介して感染が広がるため、感染力が比較的強い病気の一つです。では、なぜ大人がおたふく風邪にかかるのでしょうか。その原因と感染経路について理解しておきましょう。大人がおたふく風邪にかかる主な原因は、過去にムンプスウイルスに感染したことがない(つまり、おたふく風邪にかかったことがない)、あるいはワクチンを接種したことがない、または接種していても十分な免疫が獲得できていなかったり、時間とともに免疫が低下してしまったりした場合です。子どもの頃におたふく風邪にかかった記憶がない、あるいはワクチン接種歴が不明な場合は、感染するリスクがあると考えられます。おたふく風邪の主な感染経路は、「飛沫感染」と「接触感染」です。飛沫感染は、感染者の咳やくしゃみ、会話などで飛び散る小さな飛沫(しぶき)に含まれるウイルスを吸い込むことで感染します。接触感染は、ウイルスが付着した手で目や鼻、口を触ったり、あるいはウイルスが付着したドアノブや手すり、おもちゃ、タオル、食器などを介して感染します。感染者の唾液にはウイルスが多量に含まれているため、唾液に直接触れることでも感染します。おたふく風邪のウイルスは、症状が現れる数日前から、症状が治まった後も数日間は、唾液中に排出されると言われています。そのため、症状が出ていない潜伏期間中の人や、症状が軽くておたふく風邪と気づいていない人からも、知らず知らずのうちに感染を広げてしまう可能性があります。特に、保育園や幼稚園、学校、あるいは職場など、人が集まる場所では、集団発生が起こりやすい傾向があります。また、家庭内での感染も多く、子どもがおたふく風邪にかかり、看病していた親がうつってしまうというケースも少なくありません。これらの感染経路を理解し、流行期には手洗いやうがい、マスクの着用といった基本的な感染予防策を徹底することが、大人のおたふく風邪の予防には重要となります。