体臭の悩みを抱えた際、最初に思い浮かぶ医療機関の一つが皮膚科ではないでしょうか。皮膚科は、皮膚や汗腺に関する専門知識を持つ医師が在籍しており、体臭の原因となる皮膚疾患や多汗症、ワキガなどの診断と治療を行っています。特に、多汗症による体臭の場合、ボトックス注射や外用薬の処方によって汗の量をコントロールし、臭いの発生を抑えることが可能です。ワキガの場合には、保険適用となる剪除法などの手術を選択することもできます。また、皮膚科では、皮膚の常在菌バランスが崩れることで発生する体臭に対するアドバイスや治療も行われます。例えば、適切なスキンケア方法や、殺菌作用のある石鹸の使用などが指導されることもあります。体臭が皮膚の問題であると疑われる場合は、まずは皮膚科を受診してみるのが良いでしょう。体臭の原因が皮膚の問題だけではなく、内臓の病気にあることも少なくありません。このような場合、内科医の診察が不可欠となります。例えば、糖尿病の患者さんの中には、甘酸っぱいアセトン臭を体から発することがあります。これは、インスリンの作用不足により体内でケトン体が増加するためです。また、肝機能が低下している場合、アンモニア臭やカビ臭のような体臭が現れることがあります。これは、肝臓が解毒作用を十分に果たせないため、体内に有害物質が蓄積されることが原因です。腎臓病の場合も、尿毒症性口臭と呼ばれるアンモニア臭が特徴的です。内科医は、これらの体臭から病気の可能性を疑い、血液検査や尿検査などによって診断を行います。そして、体臭の根本原因である内臓疾患の治療を進めることで、体臭の改善にもつながります。