大人が手足口病にかかった場合、特に日常生活に大きな影響を与えるのが、口の中にできる多数の水疱や口内炎による激しい痛みです。この痛みによって、食事や水分を摂るのが非常につらくなり、時には脱水症状や栄養不足に陥る危険性もあります。どのように対処し、食事を工夫すれば良いのでしょうか。まず、口の中の痛みを和らげるための工夫として、うがいが有効です。刺激の少ないうがい薬(医師から処方されたものや、市販の殺菌成分の入っていないものなど)や、ぬるま湯、薄い塩水などで、こまめにうがいをすることで、口の中を清潔に保ち、痛みを一時的に和らげることができます。ただし、刺激の強いうがい薬は避けましょう。また、医師に相談し、口内炎の痛みを抑えるための塗り薬(局所麻酔成分配合のものなど)や、炎症を抑えるスプレーなどを処方してもらうのも良いでしょう。食事については、喉越しが良く、刺激の少ないものを選ぶことが基本です。熱すぎるものや冷たすぎるもの、辛いもの、酸っぱいもの(柑橘類や酢の物など)、塩辛いもの、硬いもの、パサパサしたものは、口内炎にしみて激痛を引き起こす可能性があるため、症状が落ち着くまでは避けましょう。おすすめの食事としては、おかゆや雑炊、うどん(柔らかく煮込み、具も細かく刻んだもの)、スープ(クリームスープやポタージュ、冷製スープなど)、茶碗蒸し、豆腐、ヨーグルト、プリン、アイスクリーム、ゼリー、すりおろしたリンゴやバナナなどが挙げられます。栄養バランスも考慮し、卵豆腐や鶏ひき肉を使ったあんかけ、野菜を細かく刻んで煮込んだスープなども良いでしょう。水分補給も非常に重要です。経口補水液やスポーツドリンク、湯冷まし、麦茶などを、ストローを使って少量ずつ、こまめに摂取するようにしましょう。もし、口の中の痛みがひどく、食事や水分もほとんど摂れないような場合は、我慢せずに医療機関を受診し、点滴による水分・栄養補給などの処置を検討してもらうことも大切です。
大人の手足口病口内炎の激痛と食事の工夫