巻き爪の症状を悪化させたり、再発させたりしないためには、医療機関での治療と並行して、日常生活でいくつかの点に注意することが重要です。日々の心がけが、つらい痛みや変形から足を守ることに繋がります。まず、最も大切なのは、爪の正しい切り方を実践することです。深爪や、爪の角を斜めに切り落とすバイアスカットは絶対に避けましょう。爪は、指の先端と同じくらいの長さに、まっすぐに(スクエアカットまたはスクエアオフカット)切り、両端の角はやすりで少し丸める程度にします。爪切りではなく、爪やすりを使って少しずつ整えるのも良い方法です。次に、靴選びも非常に重要です。先の細い靴やヒールの高い靴、あるいはサイズの合わない靴は、足の指を圧迫し、巻き爪を悪化させる大きな原因となります。できるだけ、つま先にゆとりのある、足の形に合った、クッション性の良い靴を選びましょう。また、紐靴であれば、しっかりと紐を締めて、靴の中で足が前に滑らないようにすることも大切です。歩き方も意識しましょう。足の指をしっかりと使って地面を蹴り出すように歩くことで、爪に適切な圧力がかかり、巻き爪の進行を抑える効果が期待できます。浮き指にならないように、足の指で地面をつかむような感覚で歩くことを心がけましょう。また、体重管理も大切です。急激な体重増加や肥満は、足への負担を増やし、巻き爪を悪化させる可能性があります。バランスの取れた食事と適度な運動を心がけ、適正体重を維持するようにしましょう。足を清潔に保つことも重要です。毎日入浴やシャワーで足を洗い、爪の間や指の間も丁寧に洗浄しましょう。洗った後は、水分をよく拭き取り、乾燥させることが大切です。もし、爪の周囲に炎症や痛み、腫れといった症状が現れた場合は、自己判断でいじったり、無理に爪を切ったりせず、早めに医療機関を受診するようにしましょう。これらの注意点を守り、足と爪の健康を意識した生活を送ることが、巻き爪の悪化予防と再発防止には不可欠です。