「集中力が続かない」「忘れ物が多い」「計画を立てるのが苦手」「つい衝動的に行動してしまう」など、日常生活や仕事で困難を感じ、もしかしたら大人のADHD(注意欠如・多動症)かもしれないと考える方が増えています。ADHDは子供の疾患というイメージが強いかもしれませんが、近年では、子供の頃に診断されなかった、あるいは見過ごされてきたADHDの特性が、大人になってから社会生活を送る上で顕在化し、悩みを抱えるケースが注目されています。では、大人がADHDの可能性を感じた時、最初にどの診療科を受診すれば良いのでしょうか。ADHDの診断と治療を専門的に行っているのは、主に「精神科」または「心療内科」です。これらの診療科には、発達障害の専門知識を持つ医師が在籍していることが多く、詳細な問診や心理検査などを通じて、ADHDの診断を行うことができます。特に、成人のADHDを専門的に診ている医療機関や、発達障害者支援センターと連携している医療機関を選ぶと、よりスムーズな診断とサポートが期待できるでしょう。しかし、いきなり精神科や心療内科を受診することに抵抗がある方もいるかもしれません。その場合は、まずかかりつけの内科医や、職場の産業医に相談してみるのも一つの方法です。そこで症状や困りごとを伝え、適切な専門医を紹介してもらうという流れも考えられます。また、公的な相談窓口として、各都道府県や政令指定都市に設置されている「発達障害者支援センター」があります。ここでは、ADHDを含む発達障害に関する相談に応じており、医療機関の情報提供や、日常生活や就労に関するアドバイスなどを受けることができます。医療機関を受診する前に、まずこうした相談窓口で情報を得たり、自分の状況を整理したりするのも良いでしょう。重要なのは、一人で抱え込まず、専門家の助けを求めることです。ADHDの特性は、適切な理解と対応によって、困りごとを軽減し、その人らしい生き方を見つけることに繋がります。
大人のADHDかも?最初に相談すべき診療科とは