手足口病は、発疹だけでなく、発熱や全身倦怠感といった全身症状を伴うことがあります。特に大人がかかった場合、これらの全身症状が子どもよりも強く現れる傾向があるため、注意が必要です。まず、発熱ですが、大人の手足口病では、三十八度以上の高熱が出ることが少なくありません。時には、三十九度を超えるような高い熱が出ることもあり、数日間続くことがあります。発熱に伴い、悪寒や震え、頭痛、関節痛、筋肉痛といった、いわゆる「風邪様症状」が現れることも多く、体が非常にだるく感じられます。これらの症状は、インフルエンザと間違われることもあります。次に、全身倦怠感や疲労感も、大人の手足口病でよく見られる症状です。高熱や体の痛み、そして口の中の痛みによる食事摂取困難などが原因で、体力を著しく消耗し、ぐったりとして何もする気が起きないという状態になることがあります。また、食欲不振も多くのケースで見られます。口の中の多数の水疱や口内炎による強い痛みで、食事や水分を摂るのが非常につらくなるためです。食欲がない状態が続くと、栄養不足や脱水症状にも繋がりかねないため、注意が必要です。その他、吐き気や嘔吐、下痢といった消化器症状が現れることもあります。これらの全身症状の現れ方や程度には個人差があり、比較的軽症で済む人もいれば、高熱と強い倦怠感で数日間寝込んでしまう人もいます。特に、もともと体力がない方や、免疫力が低下している方は、症状が重くなりやすい傾向があります。もし、高熱が続く、ぐったりしていて水分も摂れない、頭痛がひどいといった場合は、自己判断せずに医療機関(内科など)を受診しましょう。医師は、症状を和らげるための対症療法(解熱鎮痛剤の処方など)や、脱水症状の予防・治療(点滴など)を行ってくれます。そして何よりも、安静と休養、十分な水分補給を心がけることが、早期回復のためには不可欠です。