大人のADHDかもしれないと感じた時、医療機関を受診する前に、あるいは受診する医療機関を探す上で、「発達障害者支援センター」が大きな助けとなることがあります。発達障害者支援センターは、発達障害のある人やその家族が地域で安心して生活できるよう、保健、医療、福祉、教育、労働などの関係機関と連携しながら、総合的な支援を行う専門機関です。各都道府県及び政令指定都市に設置されており、相談は無料で行っている場合がほとんどです。センターでは、ADHDを含む発達障害に関する様々な相談に応じています。例えば、「ADHDの特性で困っているが、どこに相談すれば良いかわからない」「自分に合った医療機関や専門医を知りたい」「診断後の日常生活や仕事についてアドバイスが欲しい」「利用できる福祉サービスについて教えてほしい」といった具体的な悩みに対して、専門の相談員が対応してくれます。医療機関の情報提供については、地域で成人の発達障害を専門的に診ている精神科や心療内科、あるいは発達障害専門外来などのリストを持っている場合があり、受診先を選ぶ際の参考になります。ただし、センターが特定の医療機関を斡旋したり、診断を下したりするわけではありません。あくまで情報提供や相談支援が主な役割です。医療機関の探し方としては、発達障害者支援センターに相談する以外にも、いくつかの方法があります。インターネットで「お住まいの地域名 成人 ADHD 病院」などのキーワードで検索すると、対応している医療機関が見つかることがあります。その際は、医療機関のホームページで、成人の発達障害の診療実績や専門医の有無などを確認すると良いでしょう。また、かかりつけ医がいる場合は、そこから専門医を紹介してもらうという方法もあります。地域の保健所や精神保健福祉センターでも、医療機関の情報を提供している場合があります。大切なのは、焦らずに情報を集め、自分に合った医療機関を見つけることです。診断や治療は長期にわたることもあるため、信頼でき、継続して通える医療機関を選ぶことが重要です。