首の後ろにしこりを見つけた場合、それがリンパ節の腫れなのか、それとも他の種類のしこり(例えば、粉瘤や脂肪腫など)なのか、気になる方も多いでしょう。正確な診断は医師が行いますが、いくつかの特徴からある程度推測することができます。まず、リンパ節の腫れ(リンパ節炎)の場合、多くは風邪や喉の炎症、頭皮の湿疹など、何らかの感染や炎症が先行していることがあります。腫れているリンパ節は、通常、米粒大から大豆くらいの大きさで、触るとコリコリとした弾力があり、少し動くことが多いです。炎症が強い場合は、押すと痛み(圧痛)を感じたり、熱感があったり、上の皮膚が赤くなったりすることもあります。通常、原因となっている感染や炎症が治まると、数週間から数ヶ月かけて徐々に小さくなっていきます。一方、粉瘤(ふんりゅう)は、皮膚のすぐ下にできる半球状のしこりで、触るとやや硬く、弾力があります。中心に黒い点(開口部)が見られることがあり、強く押すと臭いのある粥状の内容物が出てくることがあります。細菌感染を起こすと、急に赤く腫れて痛みを伴います。脂肪腫(しぼうしゅ)は、皮膚の下にできる柔らかく弾力のあるこぶで、触るとグリグリと動くことが多いです。皮膚の表面の色は通常変わりません。痛みもないことがほとんどです。筋肉のこり(筋硬結)の場合は、特定の筋肉の走行に沿って、硬く張った部分として触れることが多く、押すと気持ち良いような、あるいは痛気持ち良いような感覚があることがあります。これらの良性のしこりと区別が必要なのが、悪性リンパ腫やがんのリンパ節転移といった悪性の病気です。悪性の場合のリンパ節の腫れは、多くは痛みを伴わず、ゴムまりのように硬く、触ってもあまり動かず、徐々に大きくなっていく傾向があります。また、複数のリンパ節がくっつき合って大きな塊になったり、発熱や体重減少、寝汗といった全身症状を伴ったりすることもあります。これらの特徴はあくまで一般的なものであり、自己判断は危険です。首の後ろにしこりを見つけたら、必ず医療機関を受診し、医師の診察を受けるようにしましょう。
リンパ節の腫れ?首の後ろのしこりの見分け方