良いクリニックの見分け方

「なかなか寝付けない」「夜中に何度も目が覚める」「朝早く目が覚めてしまい、その後眠れない」「ぐっすり眠った感じがしない」…。このような睡眠に関する悩みは、多くの人が一度は経験するかもしれません。一時的なものであれば心配いりませんが、不眠の状態が長く続き、日中の活動に支障が出ている場合は、医療機関への相談を検討する必要があります。では、不眠の悩みで受診する場合、まずどの診療科を選べば良いのでしょうか。最初に相談すべき診療科としては、心療内科または精神科が挙げられます。不眠の背景には、ストレスや不安、うつ症状といった精神的な要因が深く関わっていることが多いため、これらの科の専門医が、問診（睡眠の状態、生活習慣、ストレス状況、精神状態など）を通じて、不眠の原因を特定し、適切な治療法（睡眠薬の処方、睡眠衛生指導、カウンセリングなど）を提案してくれます。また、かかりつけの内科医も、不眠の初期対応を行ってくれることがあります。まずは身近な医師に相談し、睡眠の状態や他の身体症状などを伝え、必要であれば専門の医療機関を紹介してもらうというのも良い方法です。特に、不眠の原因が、何らかの身体疾患（例えば、甲状腺機能異常、心臓病、呼吸器疾患、あるいは痛みやかゆみを伴う病気など）や、服用している薬の副作用である可能性も考えられるため、内科的な視点からの評価も重要になります。最近では、「睡眠外来」や「睡眠クリニック」といった、睡眠障害を専門に扱う医療機関も増えてきています。これらの専門外来では、睡眠専門医が、より詳細な検査（例えば、終夜睡眠ポリグラフ検査など）を行い、睡眠時無呼吸症候群やむずむず脚症候群といった特定の睡眠障害の診断と治療を行っています。自己判断で市販の睡眠改善薬に頼り続けたり、アルコールで眠ろうとしたりするのは、根本的な解決にはならず、かえって不眠を悪化させる可能性もあります。つらい不眠に悩んでいる場合は、早めに専門家の助けを求めることが大切です。