良いクリニックの見分け方

投稿者: 6clkpnxhw
  • なぜ溶連菌感染で猩紅熱になる人とならない人がいるのか

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    同じA群β溶血性連鎖球菌(溶連菌)に感染しても、特徴的な猩紅熱の症状が出る人と、そうでない人(例えば、一般的な咽頭炎だけで済む人)がいるのはなぜでしょうか。その鍵を握るのは、溶連菌が産生する「発疹毒(または紅斑毒)」と、感染した人の「その毒素に対する免疫(抗体)の有無」です。溶連菌には様々な菌株が存在し、中には発疹毒を産生する能力を持つ菌株があります。猩紅熱は、この発疹毒を産生する溶連菌に感染した場合に起こり得る病態です。しかし、発疹毒産生菌に感染したからといって、全ての人が猩紅熱を発症するわけではありません。重要なのは、感染した人がその発疹毒に対する抗体を持っているかどうかです。もし、過去に同じ型の発疹毒を産生する溶連菌に感染したことがあるか、あるいは何らかの形でその毒素に対する免疫を獲得していれば、たとえ発疹毒産生菌に感染しても、毒素の作用が中和され、猩紅熱特有の広範囲な発疹は現れにくいと考えられます。逆に、その毒素に対する免疫(抗体)を持っていない人が初めて発疹毒産生菌に感染した場合に、毒素の作用によって全身に鮮やかな発疹が現れる猩紅熱を発症するのです。発疹毒にはいくつかの型(A型、B型、C型など)があるため、ある型の発疹毒に対する免疫を持っていても、別の型の発疹毒を産生する菌に感染すれば、猩紅熱を発症する可能性はあります。つまり、猩紅熱になるかどうかは、「感染した溶連菌の菌株が発疹毒を産生するかどうか」と、「感染した人がその型の発疹毒に対する免疫を持っているかどうか」という二つの要因によって決まるのです。年齢的には、幼児期から学童期にかけて初めて溶連菌に感染する機会が多いため、この時期に猩紅熱を発症しやすいと言えます。成人では、過去の感染によって多くの人が何らかの免疫を獲得しているため、典型的な猩紅熱を発症することは比較的稀とされていますが、全くないわけではありません。