良いクリニックの見分け方

2025年9月
  • 睡眠時無呼吸症候群やむずむず脚症候群と不眠

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    不眠の症状に悩んでいる場合、その背景には、単なるストレスや生活習慣の乱れだけでなく、「睡眠時無呼吸症候群(SAS)」や「むずむず脚症候群(レストレスレッグス症候群:RLS)」といった、特定の睡眠障害が隠れている可能性があります。これらの病気は、睡眠の質を著しく低下させ、不眠の原因となるため、適切な診断と治療が必要です。まず、睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、睡眠中に何度も呼吸が止まったり、浅くなったりする病気です。気道が狭くなること(閉塞性SAS)が主な原因で、大きないびきや、睡眠中の無呼吸、日中の強い眠気、起床時の頭痛、集中力の低下といった症状が現れます。夜間に何度も呼吸が止まることで、脳が覚醒状態になり、睡眠が分断されてしまうため、熟睡感が得られず、中途覚醒や早朝覚醒、そして日中の過度な眠気といった不眠症状を引き起こします。次に、むずむず脚症候群(RLS)は、主に夕方から夜間にかけて、脚(時には腕など他の部位にも)に、むずむずする、ピリピリする、虫が這うような、あるいは火照るような、何とも言えない不快な感覚が現れ、じっとしていられなくなる病気です。この不快な感覚は、脚を動かしたり、マッサージしたりすることで一時的に和らぎますが、安静にしていると再び現れるため、寝床に入ってもなかなか寝付けず、入眠障害の原因となります。また、睡眠中に足がピクピクと周期的に動いてしまう「周期性四肢運動障害(PLMD)」を合併することも多く、これも睡眠の質を低下させ、中途覚醒を引き起こすことがあります。これらの睡眠障害が疑われる場合は、睡眠外来や睡眠クリニック、あるいは呼吸器内科(SASの場合)、神経内科(RLSの場合)などの専門医を受診することが重要です。終夜睡眠ポリグラフ検査(PSG)などの専門的な検査によって診断が下され、SASであればCPAP療法やマウスピース治療、RLSであれば鉄分の補充や薬物療法(ドパミン作動薬など)といった、それぞれの病気に対応した治療が行われます。適切な治療を受けることで、不眠の症状だけでなく、日中の眠気や倦怠感も改善されることが期待できます。