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立ち仕事や長時間の歩行と足の裏・かかと痛
一日中立ちっぱなしの仕事や、長時間歩き回るような仕事をしている方にとって、夕方になると足の裏やかかとがパンパンに張って痛む、あるいはジンジンとしたり、ズキズキとしたりする痛みは、非常につらい悩みでしょう。これらの症状は、足への過度な負担が原因で起こっている可能性が高いです。まず、長時間の立ち仕事や歩行によって最も起こりやすいのが、「足底筋膜炎」です。立っている間、足の裏の足底筋膜には常に体重がかかり、緊張した状態が続きます。また、歩行時には、着地時の衝撃吸収と蹴り出しの際の推進力として、足底筋膜が繰り返し使われます。このような持続的な負荷や繰り返しのストレスが、足底筋膜に微細な損傷や炎症を引き起こし、痛みを生じさせるのです。特に、硬い床の上での作業や、クッション性の悪い靴、あるいはヒールの高い靴などを履いている場合は、足底筋膜への負担がさらに大きくなります。また、長時間の立ち仕事や歩行は、ふくらはぎの筋肉の疲労も招きます。ふくらはぎの筋肉は、足首の動きや、血液を心臓に戻すポンプ作用において重要な役割を担っていますが、疲労して硬くなると、その機能が低下し、アキレス腱や足底筋膜にも余計な負担がかかるようになります。これが、間接的に足の裏やかかとの痛みを引き起こすことがあります。さらに、足のアーチ(土踏まず)が低下している扁平足の人や、逆にアーチが高すぎるハイアーチの人は、足裏にかかる体重のバランスが悪く、特定の場所に負担が集中しやすいため、長時間の立ち仕事や歩行によって足底筋膜炎や他のかかとの痛みを起こしやすい傾向があります。対策としては、まず、クッション性が良く、足のアーチをしっかりとサポートしてくれる靴を選ぶことが重要です。必要であれば、インソール(足底挿板)を使用するのも効果的です。また、仕事の合間にこまめに休憩を取り、足首を回したり、ふくらはぎや足底筋膜のストレッチを行ったりすることも、疲労の蓄積を防ぎ、痛みの予防に繋がります。仕事終わりには、足をマッサージしたり、アイシングしたり、温めたりするのも良いでしょう。痛みが続く場合は、我慢せずに整形外科を受診し、専門医のアドバイスを受けるようにしてください。