良いクリニックの見分け方

2025年9月
  • 大人がおたふく風邪?診断と検査方法

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    大人がおたふく風邪(流行性耳下腺炎)を疑うような症状(耳の下の腫れと痛み、発熱など)が現れた場合、医療機関ではどのような流れで診断が行われ、どのような検査が必要になるのでしょうか。まず、医療機関(主に内科や耳鼻咽喉科など)を受診すると、医師による詳しい問診が行われます。いつから、どのような症状があるのか、耳下腺の腫れの程度や痛みの強さ、発熱の有無と体温の経過、他に症状(頭痛、吐き気、腹痛、難聴、めまいなど)はないか、周囲におたふく風邪の患者さんがいないか、過去におたふく風邪にかかったことがあるか、あるいはワクチンを接種したことがあるかなどを詳しく聞かれます。この問診は、診断の手がかりを得るために非常に重要です。次に、身体診察です。医師は、耳下腺の腫れの範囲や硬さ、圧痛(押したときの痛み)、熱感などを視診や触診で確認します。また、顎下腺や舌下腺といった他の唾液腺の腫れの有無、口腔内の状態(扁桃腺の腫れなど)、首のリンパ節の腫れなども調べます。多くの場合、この問診と特徴的な耳下腺の腫れの所見から、臨床的におたふく風邪と診断されます。しかし、診断を確定するためや、他の疾患(例えば、化膿性耳下腺炎や唾石症、リンパ節炎、耳下腺腫瘍など)との鑑別、あるいは合併症の評価のために、いくつかの検査が行われることがあります。代表的な検査としては、「血液検査」があります。白血球数やCRP(炎症反応の指標)、アミラーゼ(膵炎の合併を疑う場合)などを調べます。また、ムンプスウイルスに対する抗体の値を測定することもあります。発症初期(急性期)と回復期(数週間後)のペア血清で、抗体価が著しく上昇していれば、おたふく風邪の確定診断となります。ただし、結果が出るまでに時間がかかるため、臨床診断が優先されることが多いです。ウイルス分離やPCR法といった、ウイルスそのものを検出する検査もありますが、一般の診療所ではあまり行われません。もし、髄膜炎が疑われる場合は、腰椎穿刺(ようついせんし:背中から針を刺して髄液を採取する検査)が行われることもあります。これらの問診、診察、検査結果を総合的に判断し、医師はおたふく風邪の診断を下し、適切な治療方針を決定します。