良いクリニックの見分け方

2025年9月
  • 食中毒の治療法脱水予防と対症療法が中心

    未分類

    食中毒にかかってしまった場合、その治療は、原因となる病原体や毒素の種類、そして症状の重症度によって異なりますが、基本的には脱水症状を防ぐための水分と電解質の補給、そしてつらい症状を和らげるための対症療法が中心となります。まず、最も重要なのが「水分と電解質の補給」です。激しい嘔吐や下痢によって、体内の水分だけでなく、ナトリウムやカリウムといった電解質も大量に失われてしまいます。これらが不足すると脱水症状を引き起こし、重症化すると意識障害やショック状態に至ることもあるため、こまめな水分補給が不可欠です。飲むものとしては、経口補水液(ORS)が最も適しています。経口補水液は、水分と電解質が体に吸収されやすいようにバランス良く配合されています。薬局などで市販されており、乳幼児用のものもあります。もし手元にない場合は、スポーツドリンクを水で薄めたり、湯冷ましに少量の食塩と砂糖を溶かしたものでも代用できます。ただし、ジュースや炭酸飲料、コーヒーなどは避けましょう。水分は、一度にたくさん飲むのではなく、少量ずつ、頻繁に摂取するのがポイントです。嘔吐がある場合は、吐き気が落ち着いてから、スプーン一杯程度の少量から試し、徐々に量を増やしていくようにします。次に、「安静」も重要です。下痢や嘔吐は体力を消耗します。無理をせず、できるだけ横になって体を休めましょう。食事については、症状が強い間は無理に食べる必要はありません。食欲が出てきたら、消化が良く、胃腸に優しいもの(おかゆ、うどん、すりおろしたリンゴ、バナナ、野菜スープなど)から少しずつ始めましょう。脂っこいものや刺激物、乳製品、食物繊維の多いものは避けましょう。「薬物療法」としては、整腸剤(乳酸菌製剤など)が処方されることがあります。下痢止めについては、原因菌や毒素を体内に留めてしまう可能性があるため、自己判断での使用は避け、医師の指示に従いましょう。細菌性の食中毒で、症状が重い場合や、特定の原因菌(例えば、O-157や赤痢菌など)が特定された場合には、抗菌薬(抗生物質)が処方されることもあります。しかし、ウイルス性の食中毒には抗菌薬は効果がありません。発熱や腹痛に対しては、解熱鎮痛剤が用いられることもあります。