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脂肪腫かも?最初に相談すべき診療科とは
体のどこかに、触ると柔らかく、グリグリと動く「こぶ」や「しこり」を見つけたら、それは「脂肪腫(しぼうしゅ)」かもしれません。脂肪腫は、皮下の脂肪組織から発生する最も一般的な良性の軟部腫瘍の一つです。多くの場合、痛みなどの自覚症状はなく、ゆっくりと大きくなるのが特徴ですが、できる場所や大きさによっては、神経を圧迫して痛みを引き起こしたり、関節の動きを妨げたり、あるいは美容的に気になったりすることもあります。では、この脂肪腫が疑われる場合、まずどの診療科を受診すれば良いのでしょうか。最初に相談すべき診療科としては、皮膚科または形成外科が挙げられます。皮膚科医は、皮膚や皮下組織にできる腫瘍全般の診断と治療を専門としており、脂肪腫の多くは皮膚のすぐ下にできるため、皮膚科での診察が適しています。問診(いつから、どの部位に、どのような症状があるかなど)や触診(こぶの硬さ、可動性、大きさなど)を行い、脂肪腫であるかどうかを判断します。多くの場合、臨床症状から診断がつきますが、他の腫瘍(例えば、粉瘤や血管腫、稀には悪性腫瘍など)との鑑別が必要な場合や、深部にある大きな脂肪腫の場合は、超音波(エコー)検査やCT検査、MRI検査といった画像検査が行われることもあります。形成外科も、体の表面にできた腫瘍の診断と治療(特に手術による切除)を専門としています。脂肪腫の大きさが比較的小さく、美容的な側面も考慮してきれいに切除したいという希望がある場合や、顔や首など目立つ場所にできた脂肪腫、あるいは神経や血管に近い場所にある複雑な脂肪腫などの場合は、形成外科への相談が適しています。また、整形外科も、手足や体幹部にできた軟部腫瘍を扱うことがあり、特に筋肉内や関節周囲にできた脂肪腫で、運動機能への影響が懸念される場合は、整形外科が対応することもあります。かかりつけの内科医にまず相談し、状況に応じて適切な専門科を紹介してもらうという方法も良いでしょう。