良いクリニックの見分け方

2025年7月
  • 稀な原因も考慮!専門科の連携が重要な顎の痛み

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    片方の顎の痛みは、多くの場合、顎関節症や歯の問題、あるいは筋肉の緊張などが原因ですが、中には比較的稀な疾患が隠れている可能性も否定できません。そのような場合、より専門的な診断と治療が必要となり、複数の診療科が連携して対応することもあります。例えば、顎の骨の中に腫瘍や嚢胞(のうほう)が発生し、それが大きくなることで顎の痛みや腫れ、歯の動揺などを引き起こすことがあります。これらは良性の場合も悪性の場合もありますが、早期発見と適切な治療が非常に重要です。診断にはレントゲンやCT、MRIなどの画像検査に加え、組織の一部を採取して調べる生検が必要となることもあり、主に口腔外科や頭頸部外科が担当します。また、全身性の自己免疫疾患である関節リウマチが、顎関節に炎症を引き起こし、痛みや機能障害を生じさせることがあります。関節リウマチは手足の関節に症状が出ることが多いですが、顎関節も侵されることがあるのです。この場合は、リウマチ科での専門的な診断と治療(薬物療法など)が必要となります。さらに、原因不明の慢性的な広範囲の痛みを特徴とする線維筋痛症(せんいきんつうしょう)という病気でも、顎の痛みが症状の一つとして現れることがあります。線維筋痛症の診断は難しく、ペインクリニックやリウマチ科、心療内科などが連携して治療にあたることがあります。その他にも、側頭動脈炎といった血管の炎症が側頭部や顎の痛みを引き起こすことや、稀に心臓の病気(狭心症など)の放散痛が顎に現れることも報告されています。これらの稀な原因を疑うべきサインとしては、一般的な治療に反応しない持続的な痛み、進行性の腫れ、原因不明の発熱や体重減少、全身の関節痛やこわばり、原因不明の強い倦怠感などがあります。もし、顎の痛みに加えてこれらの症状が見られる場合や、複数の医療機関を受診しても原因がはっきりしない場合は、総合病院や大学病院などの高度医療機関を受診し、精密検査を受けることを検討しましょう。そこでは、必要に応じて各専門科の医師が連携し、総合的な観点から診断と治療方針を決定してくれます。